クライアントアプリによる接続の管理では、プロダクション環境に出た組み込みクライアントアプリが、目標のサーバーへ接続する際の機構について触れています。
4D v15 R4以降、サーバーへの接続を管理するクライアント側のプロシージャーは変更されました。これにより接続エラーの際の適応性が高まり、デベロッパーがよりコントロールをしやすくなりました。
このページで説明されている、4D v15 R4以降で使用可能なこの機構は、データベース設定の"互換性"ページの、アプリケーション配布には新アーキテクチャーを使用オプションがチェックされている場合にのみ有効化されます(互換性ページセクションを参照してください)。
専用サーバーが使用不可能な場合に柔軟に対応できるように、組み込みクライアントアプリの接続プロシージャーが変更されました。4Dクライアントアプリのスタートアップシナリオは、以下のようになりました:
- クライアントアプリは検索サービスを使用してサーバーに接続しようと試みます(同じsubnet内に公開されたサーバー名に基づいて検索します)。
または
クライアントアプリ内のEnginedServer.4DLinkファイルに有効な接続情報が保存されていた場合、クライアントアプリは指定されたサーバーアドレスへ接続を試みます。 - これが失敗した場合、クライアントアプリケーションは、アプリケーションのユーザー設定フォルダ (lastServer.xmlファイル、詳細は最後の段落を参照) に保存されている情報を使用してサーバーへの接続を試みます。
- これが失敗した場合、クライアントアプリケーションは接続エラーダイアログボックスを表示します。
- ユーザーが選択...ボタンをクリックした場合、標準の "サーバー接続" ダイアログボックスが表示されます (ビルドの段階で4Dデベロッパが許可していた場合に限ります。詳細は後述)。
- ユーザーが終了ボタンをクリックした場合、クライアントアプリケーションは終了します。
- 接続が成功した場合、クライアントアプリケーションは将来の使用のために、その接続情報をアプリケーションのユーザー設定フォルダに保存します。
最後に使用され検証されたサーバーパスは、アプリケーションのユーザー設定フォルダ内のlastServer.xml という名前のファイルに自動的に保存されます。このフォルダは以下の場所に保存されています:
互換性に関する注意: 互換性オプションがチェックされていない場合(互換性の章を参照して下さい)、パスは保存されません。
この新規メカニズムは、最初に指定したサーバーが何らかの理由(例えばメンテナンスモードなど)で一時的に使用できなかった場合を想定しています。こういった状態に初めて遭遇したとき、サーバー選択ダイアログボックスを表示し(ただし許可されていた場合に限ります、以下参照)ユーザーが他のサーバーを手動で 選択できるようにし、その接続が成功した場合にはそのパスが保存されます。それ以降に接続ができなかった場合には、lastServer.xml のパス情報を通して自動的に管理されます。
注:
- クライアントアプリケーションが検索サービスから常に接続できない場合(例えばネットワーク設定に不具合がある場合など)でも、デベロッパーはビルド時にBuildApp.xml ファイル内のIPAddressキーを使用してホスト名を提供する事が推奨されます。この新しい機構はあくまで一時的な接続不可状態の場合を想定しています。
- スタートアップ時にAlt/Option キーを押しながら起動してサーバー接続ダイアログボックスを表示するのは、引き続き全ての場合においてサポートされます。
組み込みクライアントマシンにおいてサーバーに接続が出来なかった場合、標準のサーバー選択ダイアログボックスを自動的には表示しないようにすることができます。
この場合、設定は、アプリケーション配布には新アーキテクチャーを使用互換性オプションと、アプリケーションがビルドされたマシン上の新しいServerSelectionAllowedXMLキーを使用してコントロールすることもできます(次の章を参照)。以下の三つの選択肢があります:
- エラーメッセージを表示し、サーバー選択ダイアログボックスを表示させない
4D v15 R4以降で作成されたデータベースのデフォルトの挙動です。アプリケーションは終了する以外の選択肢がありません。この機能は以下の設定で使用する事が可能です:
- アプリケーション配布には新アーキテクチャーを使用オプション: チェック
- ServerSelectionAllowed XMLキー: False値、またはキーを省略
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- エラーメッセージを表示し、サーバー選択ダイアログボックスへのアクセスを可能にする
ユーザーは選択...ボタンをクリックする事によってサーバー選択ウィンドウへとアクセスできます。この機能は以下の設定で使用する事が可能です:
- アプリケーション配布には新アーキテクチャーを使用オプション: チェック
- ServerSelectionAllowed XMLキー: True値
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- サーバー選択ダイアログボックスを直接表示する
変換されたデータベースでのデフォルトの挙動です。これは以前のバージョンの4Dでの振る舞いと同じです。この機能は以下の設定で使用する事が可能です:
- アプリケーション配布には新アーキテクチャーを使用オプション: チェック
- ServerSelectionAllowed XMLキー: 無視されます
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注: ServerSelectionAllowedXMLキーについてのより詳細な情報については、アプリケーションビルド設定ファイルマニュアルでの説明を参照して下さい。