アプリケーションのビルドはアプリケーションビルドウィンドウで行います。このウィンドウを開くには4Dのデザインメニューからアプリケーションビルド...を選択します。
ビルドを行う前にアプリケーションがコンパイルされていなければなりません。まだコンパイルされていないアプリケーションでこのメニューコマンドを選択する、あるいはコンパイルした後にコードが変更されていると、データベースを (再) コンパイルしなければならない旨の警告ダイアログが表示されます。
アプリケーションビルドウィンドウには複数のページがあり、タブを使用してページを移動できます:

同時に異なるビルドパラメーター (シングルユーザーとクライアント/サーバー) の設定を行うことができます。これを行うためには各ページで対応するチェックボックスを選択しなければなりません。
ビルド ボタンをクリックすると選択したターゲットアプリケーションがビルドされます。このボタンがクリックされると4Dは実行中のフェーズを表示する進捗バーを表示します。有効な設定が行われれば、設定内容はアプリケーションプロジェクトに保存されます (参照)。
設定保存 ボタンをクリックすれば、アプリケーションビルドを実行しなくてもビルドパラメーターを保存できます。
キャンセルをクリックするか、エラーが発生すると生成されたファイルは削除され、中断の理由を提供する警告ダイアログが表示されます。
注: データベースがプロジェクトとして保存されており、BuildApp.xml ファイルが"読み出し専用"モードの場合、ビルドはロックされ、ロック解除される(つまり"読み出し専用"ではなくなる)まで編集することはできません。設定の変更をしようと試みた場合、可能であればファイルをロック解錠するアラートが表示されます。
アプリケーションビルドウィンドウの上部では、生成するアプリケーションの名前と保存先を指定します。
アプリケーション名 エリアにはデフォルトでストラクチャーファイル名が入力されています。この欄の名前が生成されるファイル (コンパイル済みストラクチャー、コンポーネント、シングルユーザーアプリケーション、クライアント/サーバーアプリケーション) で使用されます。ビルドされるアプリケーションに基づき4Dは自動で必要な拡張子 (.4dc、.exe、server等) を付加します。
デフォルト名から変更を行わない限り、ストラクチャーファイル名を変更すればそれがアプリケーション名に反映されます。アプリケーション名を変更すると、そのアプリケーションのビルド時には指定した名前がデフォルトで使用されるようになります。入力する名前に拡張子を付けてはいけません。さらにOSがパス名として禁止する文字を含めてもいけません (Windowsでは".?!"、Mac OSでは":")。
保存先フォルダー エリアでは生成されるファイルの保存先を指定します。4Dはデフォルトでカレントデータベースフォルダー (Mac OSの場合パッケージ) と同階層に置かれた“StructureName_Build” フォルダーを使用します。
保存先フォルダーを変更するにはこのエリアの右にある選択ボタン[...]をクリックします。フォルダー選択ダイアログボックスが開かれたら、新しい保存先を選択します。このダイアログボックスを受け入れると、フォルダーの完全パス名が表示されます。以降、このアプリケーションのビルド時にはこのパスがデフォルトで使用されます。
ビルド実行時に4Dは自動で中間フォルダー (要求されたビルドリクエストに応じて"Compiled Database"、"Components"、"Final Application"、"Client Application"、"Server Application") を作成します。これによって同時に複数タイプのアプリケーションをビルドすることができます。
このウィンドウで設定された各パラメーターは"BuildApp.XML"という名称のアプリケーションプロジェクトファイルに格納されます。このファイルはデータベースのPreferences内、BuildAppサブフォルダーに配置されます。
ダイアログボックスが初めて表示されるときにはデフォルトパラメーターが使用されます。ビルドや設定保存ボタンをクリックすると、プロジェクトファイルの内容が更新されます。
あるデータベースについて内容の異なる複数のXMLプロジェクトファイルを定義し、BUILD APPLICATIONコマンドでそれらを使い分けることができます。
XMLキーを使用すると、アプリケーションビルドダイアログに表示される以上の設定を行うことができます。例えば:
- サーバーのIPアドレスやポート番号
- クライアントアプリケーションとサーバーアプリケーションのバージョン番号互換性 (例えばクライアントバージョン1.1から1.3がサーバーバージョン1.3に接続可能など)
- データファイルのパス名 (これにより、ユーザーマシン上でデータファイルの場所を指定する必要がなくなります)
- Windows 環境下において権限を引き上げることによって、組み込みアプリの保護されたシステムロケーションへの自動インストールを可能にします。
これらのキーの詳細は個別の専用のドキュメント アプリケーションビルド設定ファイル に記載がありますのでそちらを参照してください。
アプリケーションを最初にビルドする際、4Dは2つのフォーマットでログファイルを生成します。xml 形式とxml/html 形式です。ログファイルは"ProjectName.log.xml" および“ProjectName.log_html.xml” (ProjectName はアプリケーションプロジェクト名、デフォルトはBuildApp) という名称で、データベースのLogs フォルダ内に配置されます。各アプリケーションプロジェクトごとにログファイルが1組(1ペア)ずつ生成されます。
これらのファイルのコンテンツは同一で、フォーマットが異なるだけです。アプリケーションがビルドされるたびにどちらのファイルも同じ情報で更新されてきます。xml/html ファイルの方はエラーと警告をグラフィックで表示します。
ログファイルには各ビルド毎に以下の情報が書き込まれます:
- ターゲットビルドの開始と終了
- 生成されたファイルの名称とフルパス
- ビルドの日付と時刻
- 発生したエラー