ユーザーが組み込みアプリ、またはアプリケーションのアップグレード(スタンドアロンアプリ、またはクライアントーサーバーアプリ)をローンチした場合、4Dは有効なデータファイルを選択しようとします。アプリケーションによって、複数の場所が順次検索されます。
組み込みアプリの起動のオープニングシーケンスは以下のようになっています:
- 4Dは最後に開かれたデータファイルを、以下の説明のように開こうとします(これは初回起動時には適用されません)。
- 見つからない場合、4Dは.4DCファイルの隣にあるdefault dataフォルダー内のデータファイルを、読み込みのみモードで開こうとします(4D v15からの新機能、詳細は以下参照)。
- これも見つからない場合、4Dは標準のデフォルトデータファイルを開こうとします(.4DCファイルと同じ場所にある、同じ名前のファイル)。
- これも見つからない場合、4Dは標準の"データファイルを開く"ダイアログボックスを表示します。
アプリケーション配布では新しいアーキテクチャーを使用互換性オプションがチェックされているとき(互換性ページ を参照して下さい)、4Dでビルドされたあらゆるスタンドアロンまたはサーバーアプリケーションは、最後に開かれたデータファイルのパスをアプリケーションのユーザー設定フォルダ内に保存します。
互換性に関する注意: 以前のバージョンにおいては、この情報はストラクチャーファイル内に保存されていました。
アプリケーションのユーザー設定フォルダの場所は、以下の宣言で返されるパスに対応しています:
データファイルパスはlastDataPath.xmlという名前の専用のファイルに保存されています。
このアーキテクチャーのおかげで、アプリケーションのアップデートを提供するとき、ローカルユーザーデータファイル(最後に使用されたユーザーファイル)は初回の起動から自動的に開かれます。
この機構は通常標準の配布で安定しています。しかしながら特定の場合、例えば組み込みアプリケーションを複製した場合等において、データファイルとアプリケーションのリンクを変えたいことがあるかもしれません。より詳細な情報については、次の"データリンクモードを設定する"の章を参照して下さい。
コンパイルされたアプリケーションでは、4Dは最後に使用されたデータファイルを自動的に使用します。デフォルトで、新しいアーキテクチャーが有効化された場合(4D v15 R4以降、詳細は上記の章を参照して下さい)、データファイルのパスはアプリケーションのユーザー設定フォルダに保存され、アプリケーション名でリンクされます。
この場合、異なるデータファイルを使用するために組み込みアプリを複製したい場合には適さない事があります。複製されたアプリは同じアプリケーションユーザー設定フォルダを共有するため、同じデータファイルを常に使用します(アプリケーションが最後に使用したファイルが開かれるため、データファイルを改名した場合でも結果は同じです)。
そのため4Dではアプリケーションパスを使用してデータファイルとリンクすることも可能です。このとき、データファイルは特定のパスを使用してリンクされるので、単に最後に開かれたファイルが使用されるとは限りません。
データがアプリケーション名でリンクされている場合の複製:
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データがアプリケーションパスでリンクされている場合の複製:
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このデータリンクモードはアプリケーションビルドプロセス時に選択することができます。以下の二つから選択可能です:
4D v15 では組み込みアプリに簡単にデフォルトのデータファイルを埋め込むことが出来るようになりました。これにより、特別なダイアログボックスを表示させることなく、エンドユーザーのマシンにアプリケーションをインストールまたはアップデートさせることができるようになります。デフォルトのデータファイルを定義するためには、以下の用にします:
以下はこの新機能を図示した画像です:
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デフォルトのデータファイルが初回起動時に検知された場合、データファイルは自動的に読み込み専用モードで開かれるので、色んなカスタムのオペレーションが実行できるようになります。