4Dのバックアップ設定は backup.4DSettings という XML ファイルで提供されています。手動・自動・BACKUP コマンドの使用によってバックアップを開始するたびに、4Dはこのファイルのデータに基づいてバックアップオプションを指定します 。このファイルは、バックアップジャーナルに保存する情報量などの追加オプションを専用のXMLキーを用いて取得・設定するのにも使用できます。これらの XML キーについては バックアップ設定ファイル マニュアルを参照ください。
backup.4DSettings ファイルはデフォルトでデータベースの "Settings" フォルダーに作成されます。
互換性に関する注記: 4D v18 より前のバージョンでは、backup.4DSettings ファイルは backup.xml という名称で Preferences フォルダーに保管されています。データベースを 4D v18 以上に変換する際、ファイルは自動的に名称変更・場所移動されます。
2種類のバックアップ設定ファイルを使うことができます:
- カレントデータベースに適用される、デフォルトのバックアップ設定ファイル (ストラクチャー設定)
- データファイルに関連づいている、ユーザーバックアップ設定ファイル。ユーザーバックアップ設定ファイルはデータファイルごとに定義できるため、案件ごとにカスタマイズされたバックアップ設定を維持することが可能です。
以下の条件を満たす場合に、データファイル用のユーザーバックアップ設定ファイルが定義されます:
- 外部ファイルのユーザー設定を有効にする セキュリティオプションを有効化した場合 (ユーザー設定を使用する 参照)
- データファイルがストラクチャーファイルと同じ階層に置かれていない場合
- データファイルと同じ階層に "backup.4DSettings" ファイルを格納した Settings フォルダーが存在する場合 (ファイル作成方法については後述参照)
すべての条件が満たされている場合、4Dはデータベースのデフォルト "backup.4DSettings" ファイルではなく、データフォルダー内に格納された "backup.4DSettings" ファイルを利用します。このファイルはバックアップのほかにも、データファイル用のユーザー設定ダイアログボックスの内容をロードするのに使用されます。
条件が一つでも満たされていない場合には、データベースの Settings フォルダーにあるデフォルトの "backup.4DSettings" ファイルを使います。
ユーザーバックアップ設定ファイルとデフォルトのバックアップ設定ファイルは同時に存在することができ、使用にあたってはコンテキストに応じて選択されます。各ファイルの場所は Get 4D file コマンドで取得することができます:
- デフォルトのバックアップ設定ファイルのパス: Get 4D file(Backup settings file)
- ユーザーバックアップ設定ファイルのパス: Get 4D file(Backup settings file for data)
- 現在使用されているバックアップ設定ファイルのパス: Get 4D file(Current backup settings file)
データファイル用のユーザーバックアップ設定ファイルの使用中に、デフォルトのバックアップ設定ファイル (ストラクチャー設定) を編集することがあるかもしれません。この場合には、編集された内容はカレントデータファイルには適用されずに、データベースの "backup.4DSettings" ファイルに保存され、今後新規作成するデータファイルに対してデフォルトで使用されます。次の警告メッセージが設定ダイアログボックスに表示されます:

カレントデータファイルのユーザーバックアップ設定ファイルを作成するには:
- "ユーザー設定"モードが有効になっていることを確認します ( 参照)
- デザイン / データベース設定 メニューの データファイル用のユーザー設定... オプションを選択するか、settingsType パラメーターに User settings for data を渡して OPEN SETTINGS WINDOW をコールします。
- 設定ウィンドウにてバックアップオプションを指定し、OK をクリックします。
すると、カレントデータファイルと同じ階層の Settings フォルダーに、4Dは自動的に "backup.4DSettings" ファイルを作成します。
最新のバックアップと復元処理についての情報はすべて、データベースの backupHistory.json ファイルに記録されます。記録されるのは、保存されたファイル (添付含む) のパスのほか、回数、日付、時刻、所要時間、ステータスです。ファイルサイズを制限するため、バックアップの一般設定にある "最新のバックアップのみ保存 X バックアップファイル" に指定した数と同じ分だけ、処理のログを保持します。
backupHistory.json ファイルはカレントのバックアップ保存先フォルダに作成されます。以下のコードを実行することで、このファイルの実際のパスを取得することができます:
警告: backupHistory.json ファイルを削除または移動した場合、次のバックアップ番号はリセットされることになるという点に注意してください。
注: このファイルは4D用にフォーマットされています。バックアップ処理のレポートを直接読んで確認するにはバックアップジャーナルの方が適切です (後述参照)。
データベースのバックアップの追跡や検証を容易にするため、バックアップモジュールは実行された各処理の概要を特別なファイルに書き込みます。このファイルは、いわゆる活動記録のようなものです。オンラインマニュアルのように、処理が定期的または手動のいずれで行われていても、すべてのデータベース操作 (バックアップ、復元、ログファイルの統合) がこのファイルに記録されます。これらの処理が実行された日付と時刻もこのジャーナルに記述されます。
バックアップジャーナルには“Backup Journal.txt”という名前が付けられ、データベースの"Logs"フォルダーに配置されます。
バックアップジャーナルは、任意のテキストエディターで開くことができます。解析を容易にするため、ジャーナルの情報はタブで区切られ、情報の各行は改行で終了しています
バックアップ方法によっては、バックアップジャーナルのサイズがすぐに大きくなってしまうことがあります (例えば、同封ファイルが一緒にバックアップされる場合)。
このサイズを管理するには、2つの方法があります:
- 自動バックアップ: 4Dはバックアップを実行する前にカレントバックアップジャーナルファイルのサイズを確認します。10MBよりも大きい場合、カレントファイルはアーカイブされ、新しいファイルを作成します。アーカイブされたファイルの名前は"Backup Journal[xxx].txt"に変更されます (xxxには1から999までの数字が入ります)。ファイル番号が999を超えると、ナンバリングは1に戻り、既存ファイルが置換されます。
- 記録する情報量を削減する: このためには、データベースの backup.4DSettingsファイルの VerboseMode キーの値を変更します。デフォルトでは、True の値が設定されています。この値を False に変更すると、バックアップジャーナルには主要な情報のみが記録されます (スタート時の日付と時刻、そしてエラーの有無)。バックアップ設定に関する XML キーは バックアップ設定ファイル にて説明されています。
このファイルは、自動修復モードでのログファイル統合が4D によって実行されるとすぐに自動的に生成されるものです。このファイルには、修復された致命的でないエラーの一覧が(あれば)格納されています。詳細な情報については、自動復元 の段落を参照してください。
このファイルは致命的でないエラーがあったかどうかに関わらず、自動修復モードでの自動ログファイル統合が行われた際には必ず生成されます。またこのファイルを使用して自動統合が起きたかどうかを、例えば以下のようなコードをスタートアップ時に使用することで検知することもできます:
var $logFile : 4D.File
var $fileContent : 4D.Object
$logFile:=File(Last journal integration log file)
If($logFile#Null)
$fileContent:=JSON Parse($logFile.getText())
If($fileContent.operations.length=0)
Else
End if
$logFile.moveTo($logFile.parent.folder("Archives"))
End if